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久坂玄瑞のこと
【2011/02/23 15:23】 エッセイ
久坂玄瑞は松下村塾で、吉田松陰が最も信頼した人物である。高杉晋作、吉田稔麿、入江杉蔵とともに「松下村塾の四天王」といわれ、また、高杉とともに「松門の双璧」ともいわれた。
現代人から見ると、高杉晋作にくらべ存在感や知名度においては一歩譲るように映るが、松陰の評価は高杉以上ともいえる。
松陰全集の関係人物略伝に、松陰の久坂に対する人物評が書かれているので記してみる。
久坂玄瑞



「実甫の才は縦横無礙なり、・・・・・・高からざるに非ず、且つ切直人に逼り、度量亦窄し。然れども自(お)ら人に愛せらるるは、潔烈の操之れを行(や)るに美才を以てし、且つ頑質なきが故なり」と。(松陰全集第十巻・510頁)

また、安政五年二月、久坂の江戸遊学に際して松陰が書き贈った送序文が「日下實甫の東行を送る序」と題して『戊午幽室文稿』に収載されているので、一部を記してみる。
「吾が妹婿日下實甫は年未だ弱冠ならざるも、志壯気鋭、これを運(めぐ)らすに才を以てす。吾れ嘗て推すに吾が藩の少年第一流を以てせり。今茲(ことし)二月、将に山陽より東上し、皇京に過(よぎ)り」、更に東のかた江戸を観んとし、贈言を余に請ふ。余謂へらく、今や天下大変革の兆あり、而して實甫は吾が社の領袖なり、吾れの之れに語る、寧んぞ尋常の言を以てせんやと。」(松陰全集第四巻・306頁)

このように、實甫の才は縦横無尽なり、あるいは吾が藩の少年第一流とも、吾が社の領袖など、最大限の賛辞が書かれているのをみても松陰の期待の大きさ、信頼の程が覗える。松下村塾にあっても人望もあり、リーダー格であった。こうした存在であったから、松陰は妹、文と結婚させたのである。したがって松陰にとっては義弟にあたることになる。また、高杉晋作を松下村塾に通わせることになったのも久坂玄瑞である。
久坂玄瑞


元来は藩医の家柄に生まれ、幼少からその才気煥発ぶりは知る人ぞ知るところであった。これに輪をかけたような人物が兄の玄機であったが、惜しいかな玄瑞が15歳の時に病死してしまった。この兄の友人達(月性、中村道太郎)のすすめが松陰の門下生となったようである。また、肥後で松陰の友人であった宮部鼎蔵から、松陰の人となりを聞かされて帰国後に書簡を交わし、松陰が本心とは別に厳しく久坂の論を責めたことが全集に収載されている。(全集第二巻・丙辰幽室文稿=久坂玄瑞に復する書=414頁・再び玄瑞に復する書=421頁)また、久坂玄瑞を主人公として書いた「花冠の志士・小説久坂玄瑞」(古川薫著・文春文庫)にもこの「火を噴くような」久坂と松陰の往復書簡が印象的に描かれている。

松陰の刑死後には、藩の「政務役」という重要な役職にも就いたのである。しかし、元治元年のいわゆる「禁門の変」で鷹司邸にて会津・桑名兵と戦い、利あらずの中で自刃してしまった。享年25歳。大政奉還を見せたかった人材の一人である。
現在、我々は久坂玄瑞の肖像画といわれる写真を見ることが出来る。これを見ると、凛々しく、意志の強い士気盛んそうな印象が強い。
因みに、『久坂玄瑞全集・全一巻』が限定版として、山口県のマツノ書店から刊行された。文久二年に坂本竜馬が武市半平太の名代として萩を訪問したとき、応対して竜馬を感激させたことは有名である。竜馬が幕末史で活躍する機縁をつくったのも、この久坂玄瑞である。これにまつわる話は頻繁にでるので、別の機会に書いてみたい。
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この記事に対するコメント
震災にあった国の通貨が上がるとは不思議な現象だ。
しかしこれは、「日本の投資家が外債を買わなくなり、海外資産の買い手が減る、だから円高」と理解する方が良いのだろう。日本は経常黒字国なので、外国への資金の流出が止まると、それだけで円が希少になってしまうのだ。現に日本の個人投資家が好きな豪ドル、NZドルは地震の直後から下げている。普通であれば災害に遭うと、その国の通貨は投げ売りになるはずだが、世界最大の債権国の場合は買われるのである。
今の円高進行を、「弱り目に祟り目」という声が多いだろう。だが、世界的に資源価格が上がっていて、災害復旧のために輸入を増やさねばならなくなる日本としては、この円高はむしろ良いことではないだろうか。輸出をしたくても、おそらくしばらくは供給力が伴わないだろうし。とにかく、これだけの災害に遭っている国の通貨が買われるという状況は、感謝すべきではないかと思う。少なくとも、円安になって金利が上昇するよりはずっとマシである。だからこの際、海外から安い資材を輸入して復興に役立てるのも悪くないのである。
【2011/03/17 19:50】 URL | エセエコノミスト #- [編集]
「地震・雷・火事・オヤジの怖さ」には昔から日本人は慣れてきた筈ですが、今回は恐ろしかったですね。余震がこれからもずっと続くと思うとウンザリですね。それに放射能、神様、仏様なんとかして頂戴。
【2011/03/17 19:35】 URL | 富士額オトコ #- [編集]
みんなで喪に服しましょう・・・・と言ったら日本経済は折角回復しそうになっていたのに、また元の木阿弥ですね。あらゆる消費は減退しますよ。日本人はバカなのか真面目なのか・・・・どっちです?
【2011/03/16 20:46】 URL | ヘソ曲がり男 #- [編集]
この度の大地震、本当に深刻です。
日本経済にとっても今までに一番の大打撃です。
毎日テレビを観ていますが、本当に辛いですね。何か自分に出来る事がないか・・と毎日悶々としています。
もうテレビは観たくないけど、スウッチをつけざるを得ません。
しかし、考えてみると、我々の祖先はこういう事態に何度も耐えてきました。
地震も津波も台風も、みんなよく経験し、熟知していることだったのです。
それでも、今日の日本国があるのですから、ヤケッパッチになっちゃいけません。
絶望は愚か者の結論です。兎に角、一所懸命やれば「日本は必ずや復活する」事でしょう!
【2011/03/16 15:04】 URL | K.K #- [編集]

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