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『楫取素彦頌徳碑』文
【2019/02/01 22:02】 エッセイ
前群馬県令楫取君功徳碑
今元老院議官、楫取君之令于群馬県也、勤倹以涖下、忠誠以奉上、休養民力、宣布徳教、風移俗易、君已去、而土民翕然、謳唫弗已、合辞謁予、以功徳之碑為請、且曰、上野自古称難治、其民剽悍軽佻、臨時躁急、無老成持久之実、君初至、首張学政、以示教化之不可忽、而世方模仿泰西学術、専偏於智育、可以剽軽之俗、其極竟為虚誕妄進、犯上凌長之風漸長、君病之、導以忠厚質実、痛矯其流弊、無幾、朝議更革学制、以徳育為最、智育体育次之、略如君所経画、衆始服其先見焉、十二年学制復変、世謂之自由教育、君固執不可、既而地方教育果然解体、君独免其害、官亦卒復旧制、凡君之於学事、以身率先、毎郡吏詣庁、必先問学事、然後及他、郡吏亦至以其興衰、為喜戚、君又用心於農桑、謂富強之術、在殖国産、県尤以養蚕称、而繭糸輸出海外者、悉仮于外人、不能自往市易、其利多為外人所壟断、君募県民有材幹者、投私財助其資、航海直輸、群馬繭糸之名、頓噪海外、邦人直輸、実発端於此矣、其他設社倉、以諭蓄積之急務、奨励医学、以拯県民之疾病、捜訪古蹟、以彰先哲之逸事、諸如此類、不一而足、曾過邑楽郡大谷林者、松樹鬱茂、連互数十町、昔時、上杉氏遺臣、大谷休伯所植也、君仍自往、見其遠孫某、於一陋屋中、称以祖先功労、旁観者
為泣下、又言、君之在任十余年、居常倹素、出入不駕馬車、家惟修繕旧屋耳、而居之晏如、県民慕君、如慈父母、臨去老幼遮路乞留、送者数千人、不勝惜別之情、嗚呼、如君真不愧古之良二千石者歟、因頌以辞、其辞曰、詩詠甘棠、千載流芳、書掲風草、万古斯光、振民育徳、顕幽闢荒、彜倫已明、蔚起校庠、男服於耕、婦勤於織。老安少懐、既衣既食、有義有方有、理平訟息、興誦唶唶、噫是誰力、遺愛在里、何須生祠、頌美無已、茲見隆碑。

   明治二十三年十月        文学博士   重野安繹

前群馬県令楫取君功徳碑
今の元老院議官、楫取君の群馬県に令たるや、勤倹以て下に涖(のぞ)み、忠誠以て上に奉じ、民力を休養し、徳教を宣布して、風移り俗易(か)はる、君已に去るも、而るに土民翕然(きゅうぜん)として、謳唫(おうぎん)すること已まず、辞を合せて予に謁(つ)げ、功徳之碑を以て請と為す、且つ曰く、上野は古へ自(よ)り難治め難しと称し、其の民剽悍(ひょうかん)軽佻(けいちょう)にして、事に臨んでは躁急、老成持久之実し、と。
 
 君初めて至るや、学政を首張して、以て教化の忽にす可からざるを示す。而るに世は方に泰西の学術を模仿し、専ら智育に偏る。加ふるに剽軽の俗を以てす。其の極は竟に虚誕妄進を為し、上を犯し長を凌ぐ風漸(ようや)く長ず、君、之を病み、導びくに以忠厚質実を以てし、痛く其の流弊を矯(た)む。幾ばくも無く、朝議、学制を更革し、徳育を以て最と為し、智育・体育之に次がしむ。略(ほぼ)君の経画する所の如し。衆始めて其の先見に服せり。十二年、学制復た変はり、世、之を自由教育と謂ふも、、君固執して可とせず。既にして地方の教育は果して然り、解体す。君独り其の害を免れ、官も亦卒に旧制に復す。凡そ君の学事に於ける、身を以て率先し、郡吏の庁に詣(いた)る毎に、必ず先づ学事を問ひ、然る後に他に及ぶ。郡吏も亦た至以其の興衰を以て喜戚と為すに至る。
 君又心を農桑に用ゐ、謂富強之術は、国産を殖やすに在りと謂ふ。県尤も養蚕を以て称せらるるも、而るに繭糸の海外に輸出する者は、、悉く手を外人に仮り、自ら往きて市易する能はずして、其の利は多く外人の壟断する所と為る。君、県民の材幹有る者を募り、私財を投じ其の資を助けて海を航り直輸せしめ、群馬繭糸の名、頓に海外に噪(かまびす)し、邦人の直輸は、実に端を此に発せり。
 其の他、社倉を設けて以て蓄積の急務を諭し、医学を奨励して、以て県民の疾病を拯ひ、、古蹟を捜訪して、以て先哲の逸事を彰す。諸もろ此の如きの類は、一にして足らざるなり。曾て邑楽郡の大谷林なる者に過(よ)ぎるに、松樹鬱茂し、連なること数十町に互る。昔時、上杉氏の遺臣、大谷休伯の手づから植えし所なり。君仍ち自ら往きて、其の遠孫某に、於一陋屋の中に見ひ、称ふるに祖先の功労を以てす。旁に観る者、為に泣下る。
 又言はく、君に任に在ること十余年、居常倹素にして、出入するに車馬に駕せず、家は惟だ旧屋を修繕するのみにて、之に居ること晏如たり。
 県民の君を慕ふこと、慈父母の如く、去るに臨み、老幼路を遮りて留まらんことを乞ひ、送る者数千人、惜別の情に勝へず、と。嗚呼、君の如きは真に古の良二千石に愧ぢざる者か。因って頌ふるに辞を以てす。
其の辞に曰はく、詩に甘棠を詠じ、千載芳を流す。
書に風草を掲げ、万古斯れ光く。
民を振はし徳を育くみ、幽れたるを顕し荒れたるを闢く。
彜倫已に明らかに、蔚として校庠を起こす。
男は耕に服し、婦は織に励む。
老は安んじ少は懐き、既に衣あり既に食あり。
義有り方有りて、理平らぎ訟へ息む。
興誦唶唶たるは、噫是れ誰の力か。
遺愛里に在れば、何ぞ生祠を須ゐんや。、
頌美已む無く、茲に隆碑を見る。

   明治二十三年十月        文学博士   重野安繹


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