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「松陰の教育」
【2011/04/13 13:25】 エッセイ
山口県教育会刊行の「維新の先覚・吉田松陰」という写真や絵図が随所に、しかもふんだんに挿入されているB5版サイズの良い本がある。表紙の表と裏には「松下村塾記」の原典が刷られている。松陰の自筆の書体である。吉田松陰の入門には格好の書物である。
内容も、年代記風に構成されていて、重要な文献は抜粋したものが多いが、原典を現代文に書き換えられているので、大変読み易くなっている。(要点部分が抜粋されている)

ここに、掲題の「松陰の教育」が書かれている。(86頁)
吉田松陰に精通した専門家でないと書けないであろうと思える名文がある。
ブログを読んでくれる方には、是非とも推薦したい本である。松陰を学ぶ人々は、この本を「行きつ、戻りつ」して繰り返し、繰り返し精読するとよいと思う。
なお、「山口県教育会」は財団法人であって、山口市大手町にある山口県教育会館内にある。ここには、「財団法人・松風会」という吉田松陰教学研究団体も入っている。
まさしく、教育県の名にふさわしい。
▼▽写真をクリックすると画像が拡大します
松下村塾記

では本文を記すことにする。



明治維新の前夜に若い情熱をぶっつけて「至誠」を貫いた松陰の教育は、門弟たちの魂をゆり動かした。
松陰の教育は幽囚の松下村塾に象徴されている。
それは、人格の修業を柱とし、社会に有用な人材の育成を眼目とするもので、塾生の個性を尊重し、常に当時の世界の形勢、日本の実情にたって、内憂外患の危機状況をいかに対処して行動するべきかという強い問題意識に支えられていた。

塾には厳正な規則を定めず、生徒を率いるというよりも相互に親しみ助け合い、尊敬信頼し、互いの魂の扉を開いて交わらせるという人間教育であった。
魂と魂とが通じ合う、士分の者も平民の子も差別しない教育を行い、学問をただ学問として学んだり、あるいは仕官の道として学ぶのではなく、時代につながり、生きた学問を実践したのである。

かくすれば、かくなるものと知りながら 
已むに已まれぬ大和魂


自分の信念を弟子たちの前にすべて投げ出し、弟子と共に真理を探究する熱狂的な指導精神が、若い後進の魂を揺さぶったのである。

 松下村塾の塾風は、いろいろな書簡や幽室文稿で察することができる。特に「丁巳幽室文稿」と「戊午幽室文稿」のそれぞれにある「諸生に示す」が参考になる。丁巳幽室文稿
では、古人に輸(ま)けない読書の計画を立てて、完成するまで輟(や)めない盛んな読書風景などがある。戊午幽室文稿では「疾病艱難には相扶持し、力役事故には相労役すること、手足の如く然り、骨肉の如く然り。」とあるように共同し合って事に當たること。つぎは、とかく何処の塾でも文に偏し勝ちであるが、松下村塾では「近くは米を舂(ま)き田を鋤くの擧の如き、亦此の意を寓するのみ。撃剣・踏水の二事に至りては、武技の最も切要なるもの、時方(まさ)に盛夏、邊警また殷にして、一日も弛うすべからず。然れども徒に視て遊戯と為し、実用を尚ばず、光陰を消し、學業を荒(おこた)るも、亦、慮るべきなり。」として、心身一体、文武兼備の修練が行われていたことがわかる。

これは他の書簡に述べているのであるが、遠足や攻防演習などは、時刻を決めて山頂などに集合させ、途中はそれぞれ長幼を織り交ぜた班を作り、いたわり助け合う仕組みでやったと書いている。「気類先づ接して義理従って融る」ことを自得することが、學問の本質であると強調している。そして最後に、「苟も語るべきものあらば、牛夫馬卒と雖も、将に與に之れを語らんとす。況や同夕をや。」と質問し、討議して切磋すること、決して面従腹背でないことをこの塾の誇りとして掲げたのである。
 (維新の先覚 吉田松陰:山口県教育会編)より

「読書百篇意自ずから通ず」という言葉がある。だから、この本は何度も何度も、必要に応じて繰り返し読むに値する。この本は、吉田松陰の入門としては格好の本であると思う。
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