長谷川勤のインフォメーション・ブログ
維新の先覚者「吉田松陰」研究のやさしい入門ブログ

プロフィール ×

kinnhase

Author:kinnhase
長谷川勤のインフォメーション・ブログへようこそ!


最新記事 ×

最新コメント ×

最新トラックバック ×

月別アーカイブ ×

カテゴリ ×

『レポート課題の試み』・松陰と人間学
【2012/06/01 11:00】 エッセイ
「吉田松陰論」の人間学の修得をめざして

今年度は、期末試験を実施せず、以下の「レポート」を書いて提出させ、此れと、授業態度、出席点を加味して採点することにした。二問めは、副学長に読んでいただき了承を得たうえでの、初の試みである。
これを導入しようと思ったのは、著書の中に書かれている「大阪の某大学」で、ゼミのテキストとしてとりあげ、人間教育を目指しているとの記述に出会ったからであった。

下田の吉田松陰24.3.25


2012.6.1
2012年度「前期」
『吉田松陰論』レポート提出課題

「吉田松陰論」担当長谷川 勤

下記の二問の課題についてレポートを作成して、提出してください。

(1)、吉田松陰の「士規七則」と「松下村塾記」の史料から読み取れる、吉田松陰の「人間観」と「学問観」を書いて下さい。その場合、「志を立てて以て万事の源と為す」と、「学は人たる所以を学ぶなり」の語を必ず使用してレポート作成のこと。
志ありせば


(2)、中井政嗣著「できるやんか!」または、「それでええやんか!」(潮出版社)の、どちらかを読んで(購入)、「自分の人生の展望・志」を、各自書いてレポート提出のこと。

   ◆一般書店での定価はそれぞれ¥1,300、¥1,000です。(アマゾンを活用するとより安く購入できます。)
※注意:提出期限:7月12日(木曜日)厳守のこと。
※レポート用紙4枚以内。(学籍番号と名前、提出日を明記すること)
※注意:出席が規定に達しない(15/10)学生は、出席点が加味されませんから、質の高いレポートでないと合格点が出ません。


私は、(1)の吉田松陰が従兄弟の「加冠の儀」を祝して獄中から書き与えた、『士規七則』には「武士道」または「士道論」についての、松陰の考え方が凝縮されており、封建社会に生きる武士の心得と思っている。

原文には、志の項目に続いて『交を択びては以て仁義の行を輔く。書を讀みて以て聖賢の訓へを稽ふ』。へと続く。そうして「成人」が成就するという。
事実、松陰の人生は、これを基本としており、自らの信念を語ったものであり、此処に彼の人生観の一端を読み取れる。
士規七則24.3.25


これと不可分の関係として『松下村塾記』のなかで、「学は人たる所以を学ぶなり」という名語が綴られる。洵に松陰の人生は、学問と、己を修める目標にまっしぐらに突き進む態度、姿勢であった。是を誠実に希求し、実践することが彼の眼目であった。

「修己治人」「治国平天下」を片時も忘れず励んだ生涯は美しい。君主や親族への忠孝の在り方は、彼の書簡を讀むとそれが如実に現れている。

封建時代に在って、儒教の申し子ともいえるが、彼の場合、此処に「陽明学」が加わり、相当に影響を受けていることが察せられる。松下村塾の入門を請うものにたいして、「学者になってはいかん、人は実行が大切である」と諭したのはそのあらわれである。

「軍記物」や「中国の古典、故事、人物列伝」、さらには「水戸学」や「歴史」に関する書籍を共に学び、これ等を通して「人間學」を学んだのであった。しかも、彼の残した名語録は誠実な表現が多く、技巧をてらう類の語がほとんどない。
松下村塾24.4.25


例えば、日本人としての自覚や国体への認識をふかめたといわれる『睡餘事録』における「身皇国に生れて皇国の行為国たる所以を知らずんば何を以て天地に立たん」と書き綴った自己への戒めや決意の語。そして塾生に対しては「萬巻の書を書を讀むに非ざるよりは寧んぞ千秋の人たるを得ん」と鼓舞し、さらには「松下は陋村なりと雖も誓って神国の幹とならん」と、自らへの決意を塾生に伝えるメッセージを発している。

一方では、塾生に対してやわらかい表現ながら「お勉強なされい」と学問への取り組みの促進を願ったのであった。性善説に立って「至誠にして動かざる者は古より未だこれ有らざる也」と『孟子』のことばを座右の銘として人間の尊厳さ、大切なものへの認識を透徹させたのであった。

『福堂策』に言う「人賢愚ありと雖も各々一、二の才能なきはなし」として、各人の潜在的な才能を引き出すことも忘れなかった。松陰はこのように、あらゆる面から、人、日本、時勢を見つめながら、自らは素より、塾生と共に難局打開を目指して奮闘努力したのであった。こうしたことから、「今天下はいかなる時ぞ!」との警告も忘れていなかったのである。
これらのことを、学生諸君が、どこまで勉強して「質の伴った」レポートを書いてくるか、待ちわびるような思いでいる。
中井政嗣24.4.26


もう一つの課題は「できるやんか!」と「それでええやんか!」の読後感から、自分の人生に対して、向上、努力する姿勢を決意するレポートを期待している。
「艱難辛苦」は、人生のところどころにおいて遭遇するに違いない。それらを、耐えて克服していくことによって人間は成長する。特別な技術を要する仕事というのは、実際には遭遇する機会が少ない。

「人生に苦労はつきもの」を心得て、難問を乗り越えて「世の為・人の為に尽くす」という思いがつづられるのを待っている。
上記の本を真面目に読んだら、必ず感動をもって読了するに違いない。その感動が、自らの人生の運命を切り開いて努力しようとの認識が芽生えたならば、このレポート提出をもって「試験」に変え得る目的は達せられたことになる。
レポート作成中の姿


そして感動は、必ず人生に勇気や奮起を起させるに違いない。それが実感できた時に「自己教育」を眼目とした吉田松陰論の価値が顕現するに違いない。こんな思いで学生がレポートを書いてくれることを願ってやまないのである。
関連記事
スポンサーサイト


この記事に対するコメント
 
菊池様

これだけのよいブログを編集されているのです。厚木市まで遠くなければ、木曜日にいつかお休みができるなら、私の授業を融通して一度学生の前に立って講義する機会を作ってあげたいと思います。住所がわからないので、コメント欄に書いてみました。
【2012/06/08 10:53】 URL | 長谷川勤 #pPoJw1fQ [編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2012/06/07 01:25】 | # [編集]

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kinnhase.blog119.fc2.com/tb.php/193-13f5ede7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


サイドメニュー ×
メニューA  メニューB

検索フォーム ×

RSSリンクの表示 ×

リンク ×
このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム ×

この人とブロともになる


QRコード ×
QR