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「現代日本」の姿
【2012/07/27 22:44】 エッセイ
『松陰精神』の不滅性について

吉田松陰が「安政の大獄」で、その生命を絶たれてしまってから今年で150年余りが経過した。
この人物ほど「日本の為に」尽くそうとした、その精神性の高さに於て「完全なる「ナショナリスト」は極めて稀であるという視点に於て、異論をはさむ余地のない人物の代表の名に値する人物はいないだろう。
理屈抜きで、他の追随を許さない。それは、単なる個人の精神と云う意味でなく「民族精神」を体現したという意味に於いて、自らの思想に殉じた人物は、その「純度」の高さに於ても、稀有な人物であった。
それゆえ、自らの「死」に対しても、従容として臨んだと言い伝えれている。
吉田松陰結跏趺坐小


吉田松陰という「歴史上の人物」と、私なりに向き合って十年が経過した。
この間、「吉田松陰全集」の定本版・普及版・大衆版と呼称される吉田松陰の、著述と向き合いながら、数えきれない程の「伝記」・「研究書」を読む機会を得た。秀逸というに値する研究書物が、そのなかでどれほどあるのであろうか。徳富蘇峰、玖村敏雄、そして現代の代表的研究者の海原徹先生等々の著述物は、誰もが指呼を折るであろう。

吉田松陰「海原徹著」


『中公新書』に「田中彰」著の『吉田松陰』がある。この名著は、「変転する人物像」という副題がついている。
明治24年の日本における『吉田松陰傅』刊行以来の、数々の伝記類や研究書の紹介がされている。この書物は、日本の時代と共に変転してきた「吉田松陰」の人物像を描き出したという点に於て、後世の吉田松陰研究者にとって計り知れないほどの裨益を齎した。
反面、解説的であり、自身が予定していた「吉川弘文館」の『人物叢書』の執筆予定が、遂に刊行されないままに今日に至ってしまっているのは誠に遺憾としなければならない。


この田中彰さんは、松陰と同じ長門の国に生誕し、大東亜戦争に従軍経験があるようで、敗戦後は「東京文理科大学」(この大学は、東の東京高等師範学校・西の広島高等師範学校と併称されて、教育界に幾多の人材を輩出し・日本の国家的使命を果たした)に入学し、郷土の先輩である吉田松陰及び日本の近代史研究にそれなりの業績を残した歴史学者である。残念ながら「渾身の研究成果として世に問う独自の著作を残さなかった」のが残念である。唯物史観の見地に立つ研究者の限界であったのであろうか。勿体ない話である。

吉田松陰 田中彰23.3.23


今日、即ち平成24年現在に於ては、日本國の現状が「閉塞状況」に陥ってしまっている。泰平の世に慣れてしまって、ペリー来航に対する「いざ・かまくら」の危機に対して、何ら為す術を持たなかった、当時の治者階級としての武士の無能ぶりは、それを揶揄した狂歌に詠われている通りであろう。その何年か後に「四国連合艦隊」の報復攻撃に対して、無能ぶりをさらけだした長州武士の在り方は、危機管理に対して全くの見識や肝っ玉を持ち合わせていない事実に、農工商の三民は、いたく失望した。
國家の存立を賭けた危機に役立たない武士への怒りは、吉田松陰の「草莽崛起論」に淵源をもつ「奇兵隊」に結実し、やがて「徴兵令」の思想の基底をなすに至る。

近代国家に「国防」は必須であるが、明治維新の精神をはき違えた「公務員としての職業軍人」の自分勝手な狭い視野での國家観・・・・・・それは、正しい世界観を持たない片寄った軍人(政治家への誤れる容喙)思想が、ゆがんだ國家観へと収斂して破滅に到った。
吉田松陰が叫んだ「独立不羈三千年の大日本」の精神は、遥か彼方に忘れ去られて「エゴ」に基づく変則的な国家へと変容してしまった。長期的な歴史観からすれば、「国家指導者」たるべき人物の在り方が間違いなく問われるに違いない。


日本地図


現代の「政治家」達が、本当に國家のために「殉難」を覚悟しているかどうか問いたいところである。「近代国家の産物」としての「官僚」が、こうした精神に立脚したものでないことは、単なる立身出世主義や、自己保身に長けた機構に託して、賞味期限を持った「知識的な世渡り上手」以外の何物でもないことを暴露した。しかし、「懲りない面々」であることに変わりはないのであって、既得権益は容易に手放さない。
これが、「吉田松陰」本が、あとを絶たない現象生んでいる。それでも、個人の思惑を遥かに凌駕したところで、歴史の小さな日々は刻まれ続けてゆくのである。これが、今の日本の偽りない姿であろうことは、杞憂をこえた危機感として感じ取っているのに違いない。



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