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吉田松陰と水戸学
【2010/08/01 11:06】 エッセイ
小学校時代の友人が『常陽 藝文』7月号を送ってくれた。6歳からの友人ですから57年間もの長い友人です。ゴルフや同窓会での一献などの機会には、今でも会います。今は、日立市在住ですが自分でも感心するくらい長い交友です。その彼が送付してくれたのが常陽藝文の小冊子です。これは財団法人「常陽藝文センター」が毎月発行しているものです。この7月号に『吉田松陰の東北旅日記』特集が掲載されています。徳川斉昭24.4.9




吉田松陰の「東北の旅」は『過所手形』という、他国を通る時に必要な身分証明書の発行を待たずに出発したのであった。これは藩主を裏切る『脱藩行為』と看做されます。こういった事情で、松陰の運命を左右した旅でした。事実、4ヶ月余りの旅を終えて江戸に戻った時、国許で謹慎して『待罪』を言い渡されました。この待罪中の過ごした記録(殆ど読書録)が、「睡餘事録」で以前に紹介しました。友人との約束を優先して12月14日に単身水戸に出発。そこで宮部鼎蔵らと落ち合う約束でした。
時に嘉永4年、松陰21歳か。松戸、水海道、筑波、笠間を通って19日に水戸着。斉藤弥九郎の紹介状で永井政助を訪ね、そこで宿泊。水戸には「後期水戸学」の大家がおり、特に曾澤正志斎(弘道館総裁)には6度も会っている。会澤は71歳であるが若い松陰との談論で、メモを取りながらであった。その謙虚さに松陰は驚く。さらに、毎回にわたり、一献を用意して歓待してくれた。このことを松陰は『東北遊日記』にこんな風に記している。「会澤を訪ふること数次なるに率ね酒を設く。水府の風、他邦の人に接するに歓待甚だ渥く、歓然として欣びを交へ、心胸を吐露して隠匿する所なし。澤ヾ談論の聴くべきものあれば、必ず筆を把りて之れを記す。是れ其の天下の事に通じ、天下の力を得る所以か」と(松陰全集第9巻・189頁)。
徳川光圀24.5.6

水戸藩は第2代藩主の徳川光圀以来「大日本史」を編纂する『尊皇』の藩である(この編纂所を彰考館といい、会澤は総裁代役を務めた)。
東北遊日記には会澤との論壇内容まで書かれていないが、日本の古代や天皇、そして会澤の著作になる『新論』についての会話が詳しくなされたであろう。元々が尊皇家の父を持つ松陰であることから十分考えられることである。帰国して待罪中に猛烈に日本の古代史を読み、自分なりに水戸学の検証をしたことは「睡餘事録」を読むとそのことが解る。
古事記

幕末ギリギリの尊皇論と水戸学の尊王論とは異なるが、その魁となったのは吉田松陰であり、彼の水戸での1ヶ月間は大きな影響を与えられたことは間違いない。いまでも水戸の弘道館は観光客が訪れ、私も訪ねて松陰の『詩』を見学してきた。また、大日本史編纂所跡地には『彰考跡』との石碑が建っている。松陰は生涯に6回の遊学・視察旅行をしているが江戸時代は、高名な学者を訪ねて勉強するのが普通のありかたであった。
そして、松陰はこれを繰り返しながら、多くの学者と会い、彼の人脈となったのである。江戸時代で最も日本中を歩いたのは恐らく伊能忠敬だったろうが、松陰も歩いた距離では指折りの人物であることは間違いない。因みに、松陰の研究書を沢山著述している海原徹先生に『江戸の旅人吉田松陰』という本があります。この旅は、大雑把でなく数回に分けても出来るだけ詳しく書く機会を持ちたいと思います。
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この記事に対するコメント
常陽藝文の記事を読んでいたら、地元の水戸市に「水戸史学会」があることを知りました。その第十号が昭和54年に発刊されています。ここに「吉田松陰と水戸学」(その1)の論文が掲載されていました。読んでみますと、面白い。松陰は旅先で多くの「詩」を詠んでいますが、1ヶ月お世話になった「永井家」に漢詩を贈っていますが、何故か全集と何文字か違うという。実物写真が掲載されているが、筆跡がいつもの松陰より丁寧で、達筆の印象がある。独特の「右上がり」の文字ですが、何故違うのか不思議です。全集が違うとなると、信憑性の問題となって、実証性の観点から疑問が出ることになります。私がこれまで見た中では一番の達筆で丁寧な書き振りでした。
【2010/08/02 18:14】 URL | 長谷川勤 #- [編集]

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