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「吉田松陰随想」
【2013/11/15 21:37】 エッセイ
「閑話休題」吉田松陰随想

このブログ記事を書き始めて、凡そ3年半が経過した。書いた記事は現在「265」に上った。吉田松陰の勉強の一助を期して、殆どが「松陰関連記事」となったが、「幕末物」も随分と書いたような気がする。
目標は「500」記事を書きたいと願っている。吉田松陰の関連記事は、ネット(正味)で500に到達したいと思っている。それは、吉田松陰が幕末の「先覚者」からではない。
正装の吉田松陰2012.3.30


松陰は、「人間通」の観点からすると、振幅が大きい人物である。余人を以て変えがたいほどのものがあって、感心させられもするが、一方では「人間音痴」かな、と思えるような一面を持っている。「間部詮勝老中」の暗殺計画は、「草莽崛起」の実践としての流れからは理解出来るものの、政府要人の暗殺を期しての「秘策」を「公明正大」と取り違えているのではないかと思わせる。何故、暗殺のために公開性に富む書簡を、毛利藩の要人に書いたか。武士の切り捨て御免が許されていた時代とはいえ、世間通とは言えず、ましてや人間通とは更に言えまい。

正直も度を越せば「馬鹿正直」ということばがあるように、誠実や公明正大も「一般的な常識」からすれば「適度」という許容範囲の中でのことである。
これに似たような表現に「お人よし」と云う言葉がある。
武士階級に育ち、大藩の軍学師範という、ある種の特権階級に近い身分や親族の影響もあってか、松陰先生は極端なのであって『中庸』を「これでもか」というくらいに学んだはずなのに、どうしたことだろうと首をかしげたくなることが間々ある。

「論語読みの論語知らず」を連想させる。均衡感覚に優れていない部分が確かにこの人物にはあるようだ。だが、どうして吉田松陰支持者が連綿と絶えずに続くのは何故か?との疑問も抱かざるを得ない。性善説もここまで行くのであろうかと、時に感心させられたり、「度」をこすと、このようになるのかと思うことがしばしばである。死刑を覚悟した「父叔兄宛」の書簡(安政6年10月20日)も、「平生の學問浅薄」として、学問が足りなかったと述懐しているように読み取れる。誰を怨むでもなく、己の学問不足を記述しているくだりは、美しくさえもある。ただ「評定所」の取り調べの過程で、「幕府の権詐」と「誘導訊問」の術中に陥ったとの記述は、読む者をして共感させられるものがある。

自分の生命と大和民族の生命との大切さを「天秤」にかけると、松陰の考えは「慈愛のレベル」が高すぎて、常人の理解を遥かに凌駕してしまう。国を愛する心は、こうしたレベルまでたどり着くのであろうか。あの、「アダム・スミス」さえ、「利己心の有効活用」によって経済活動の活性化の梃子になると言った。「利己心」は普遍性のある、人間誰しもが容認する本性ではないのか。確かに安政6年の4月頃は、門下生への書簡で、自らの死によって「志」を継ぐ者に奮起を促しているし、「留魂録」でも同様のことを「遺志」と読める部分がでてくるのである。これは「死への希求」とういう病的状態と間一髪なのかもしれない。自賛に書いている「人は狂頑と譏り」の意味は、死をも恐れぬ信念の強さを謂っているのか。ここでは「諸葛孔明」や「賈彪」・「貫高」・「魯仲連」を師と仰ぎつつ、生き方に憧憬を抱いているようだ。これらの人物は「高士」と呼ばれるほどの人達である。
人間、何が怖いかって問えば、誰もが「死」と答えるに違いない。古来「死んだ気になってやれば何でも出来る!」と云われてきた。

吉田松陰の「誠」は、考えようによっては信仰にさえ近いと思える。かつて三島由紀夫が割腹自殺を遂げた時に「人は思想で死ねるものか?」と評論を書いたものを読んだ記憶がある。あの時、陽明学がしきりに喧伝されたような記憶があって、三島が死の直前「革命哲学としての陽明学」なる、書物を著述したことから、それが殊更取り上げられたと思われる。「主観の完全燃焼」とは「信仰」と隣り合わせなのかも知れない。吉田松陰も「陽明学」への理解は、普通以上と言ってよいだろう。門弟の入江杉蔵宛の書簡でも、陽明学徒としての部分は否定しているが、自分の考えと「万々逢う」との意味深長な表現がある。

吉田松陰を勉強して10年余り、まだまだ謎だらけである。半世紀に及ぶ研究を続けている海原先生が、松陰本を沢山書きながら、なお書き足らないものがあるように思えてならないと述懐しているが、それ故に取り組む人が後を絶たないのではあるまいかと思う。

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