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「久坂から文への最後の書簡」
【2013/12/23 00:13】 エッセイ
「久坂玄瑞」から「文」宛て書簡

平成四年二月一日刊行の『久坂玄瑞全集』(福本義亮編・マツノ書店)には良人である久坂玄瑞から妻の「文」(松陰の妹)宛ての書簡が「19通」収載されている。
第1通が安政5年冬で、この時は松陰生存中である。第2通は「萬延元年8月20日」(松陰刑死後)である。そうして最後は元治元年6月6日で、有名な「池田屋の変」が勃発したのが6月5日であるから、その翌日に書いた書簡となるわけである。再来年の「大河ドラマ」に因んで、この最後の書簡を書いて見る。
長井を切腹に追い込んだ久坂24.8.20


前年の8月18日は長州藩・尊王攘夷派にとって、京都御所の守衛を解かれ、そして京都からの追放命令の出た屈辱の日である。これは、いわゆる長州藩や尊王攘夷派が京都から一掃された日として幕末史に必ず記述される事件である。これを「文久三年八月十八日の政変」という。その事件から10か月後に書かれた書簡である。 そうしてこの書簡から、およそ70日後に「禁門の変」となって、会津・薩摩の連合軍との戦いへと展開して7月19日に久坂は自刃となる。
その意味で「遺稿」に近いといえるものである。

全集の全文を下記する。
あつさのせつに相成候得共まづまづおんかわりなくくらされ候よしいかにも安心いたし粂二郎昨日まゐり久しぶりにあいたい大によろこび昨夜も一しよにね候粂二郎大小も大坂にあつらひおき候得共此度はまにあひ不申候いづれのぼり候上は相調早々さしおくり可申候梅兄も一昨日山口御出かれこれおんはなしをもいたし候事に此度は何分ちよとなりともかへり度候得共用事しげくこまりをりまゐらせ候なにとかいたし見可申候何もあらあらかしく
六日
佐々木おばさま杉みなさま小田村兒玉玉木えもよろしく頼まゐらせ候粂次郎は一兩日とゞめおき候いかにもおとなしくあそびをり候御あんもじなさるべく候
よしすけ
留守へ

 楫取美和子 
以上が、全集に収載されているものである。 これを読み易く、現代文に書き換えて見ると、以下の様になる。

「暑さの節に相成りましたが、先ずお変わりなく暮らされ候由、いかにも安心致しました。粂二郎(養子で文の姉の子を)が昨日参り、久し振りに相対(逢え)し、大いに喜んでいます。昨夜も一緒に寝ました。粂二郎の大小(刀)も注文しておきましたが、此の度は間に合わないが、何時か上京の時は完成(出来上がり)次第、その注文してある両刀を差送ります。梅太郎兄さんも一昨日山口へおいでになり、諸々の話をしましたが、此の度は一寸なりとも萩へ帰り度く思っていますが用事が忙しく困っています。 けれど、何とかしたく思います。とりあえず急ぎ一報まで、六月六日。久坂義助、
萩の家で留守を守ってくれている文さんへ」

という程の内容であるが、久坂の思いやりが偲ばれる。
明治16年に楫取素彦との再婚に当たって、最初の夫であった久坂玄瑞の手紙を持参しての嫁入りであった意味が垣間見えるようである。


京都の朝廷に対して、前年の8月18日の雪冤を期すべく、藩論が湧きたっていた時の合間を縫って藩政府のある山口から、萩の家にいる妻・文宛に送った手紙である。 この後、久坂は「兵を率いて朝廷に嘆願すべし」と沸騰する藩論を押え切れず、やむなく同調して雪冤のために上京する。これが、文中の「用事が忙しい」という表現になるわけである。 一方、高杉晋作は藩論を押えきれないと判断して、脱藩してしまう。ここが、久坂と高杉の人間性の違いで、吉田松陰から「武士の死すべき所」を教えられていた「差」となるわけである。結局この禁門の変で久坂玄瑞は春秋に富んだ波乱の生涯を鷹司邸で閉じることになった。
蛤御門


高杉は、この時はまだ、対幕府との「乾坤一擲」の勝負の時期に非ずとの情勢判断で、率兵での上京には反対意見であった。そして大先輩で急進的であった「来島又兵衛」等の行動を阻止するために説得せよとの藩命を受けるが、激論の末に説得し切れず、ひとまずは自説の上京反対を脱藩という独特の行動をとって回避し、生き延びるものの藩から謹慎命令を受けてしまう。そうして、最後の勝負に立ち上がるのが、この半年後の元治元年十二月、「功山寺挙兵」となる。
この藩内抗争に勝利して藩論をひっくり返し、「割拠論」に纏め上げて第二次長州征伐での勝利へと導く。 二人の情勢判断と行動の分岐点であった

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