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『桂小五郎と幾松』
【2013/12/25 18:32】 エッセイ
『幾松』(木戸松子)のこと

(1)、『醒めた炎―木戸孝允―』(村松剛著)について
醒めた炎第一巻醒めた炎単行本


1979.5~1987.2。日本経済新聞「日曜版」連載、足掛け9年。通算406回の大作。
①、1987年夏、上下二巻で中央公論社より刊行(単行本) ②、1990.10~1991.10まで、「中公文庫」四巻。解説:佐伯彰一。
この文庫の第四巻は、345頁~428頁までの83頁に、出典資料一覧。そして446頁~486頁までの40頁にわたる人名索引と、その出典カ所の詳細な明示がなされている。私は、これほど懇切丁寧な文庫本を見たことがない。解説(佐伯彰一)も丁寧である。昭和62年度の「菊池寛章」を受賞した大作である。
幾松(木戸松子)の出典箇所(該当ページ)は、次の様になる。 第1巻:1。 第2巻:43 。第3巻:5。 第4巻:12 と、実に、頻繁に登場する。
第2巻に多くの記述があるのは、「蛤御門の変」(元治元年七月:1864)が起きた後で、桂は乞食に身をやつして京都、そして出石に潜伏する。この間、幾松は下関に匿われる。第四巻は、桂が「維新の元勲」として、新政府で活躍しつつも微妙な夫婦の生活。そして外遊(岩倉使節)と多忙で、松子は手紙を出していること等である。これを根拠として、幾松像をイメージするのがよいと思われる。それは、この書物が、創作の入った小説ではなく、本格的な伝記として書かれているからである。
木戸孝允26.02.01

(2)、『幾松という女』(南条範夫著)1993:新潮文庫。解説:安西篤子。
幾松という女


この解説部分が面白いので、安西篤子さんの解説文稿の一部を抜粋して下記します。
幕末維新時に活躍した志士たちは、華やかな女性達とのロマンスにも事欠かなかった。
とりわけ有名なのが、坂本龍馬とおりょう、そして桂小五郎と幾松の恋であろう。
 京都・三本木・吉田屋の芸妓幾松は、たぐい稀な美貌の上に、芸達者で気風が良く、自他ともに許す売れっ妓だった。その幾松が、長州の桂小五郎と恋仲になり、危機に陥った小五郎を幾度か助けた。新撰組に狙われて、三条大橋の下に身をひそめた小五郎のために、幾松が握り飯を作ってきて与えたとか、吉田屋の二階で逢引中、新撰組に踏み込まれたが、幾松は咄嗟に小五郎を秘密の抜け道から裏の河原へ逃がし、一人、平然と唄いつつ舞い続けたので、近藤勇らも疑いを残しながら引き揚げた、といったエピソードはよく知られている。
幾松

 浮気者の多い志士の中で、桂小五郎後の木戸孝允は幾松一人を愛し続け、やがて正妻とした。幾松は名も松子と改めて、よく夫に仕え、木戸が亡くなると剃髪出家して翠香院と号し、夫の冥福を祈って世を終えた。・・・・・・京に住む者はもともと禁裏様びいきで、尊攘派の志士達も色里の女たちに人気があった。「高杉晋作と井筒屋の芸妓・ふりか」、「久坂玄瑞と桔梗屋のお辰」、「山縣有朋と祇園の舞子・小蘭」とかがしきりに浮名を流した。・・・・・・出会って間もなく(文久二年頃)小五郎は幾松とむすばれた。・・・・・・この頃が二人の愛の最も純粋に燃え上がった時期であろう。小五郎は幾松を正妻に迎える決心をし、幾松もそれを知って有頂天になる。幾松が度々小五郎を危機から救ったのも此の時分のことである。・・・・・・芸妓時代の幾松の写真によれば、ふっくらした感じの中にもいかにも悧巧そうなつぶらな瞳が光っていて、鼻筋の通った黒髪の豊な、匂うような美女である。
「禁門の変」後、洛中に潜んでいた小五郎は、但馬の出石に逃れる。幾松も幕府の探索方に狙われているというので、長州藩士に伴われて下関に逃げた。その後、幾松は出石に小五郎を訪ね、二人きりの日々を楽しむ。更に二人で長州に戻り、山口に新居を構えた。この時から幾松は、小五郎の正妻として知人にも引き合わせられた。松子の喜びはどんなだったであろう。・・・・・・芸妓時代の幾松の写真によれば、ふっくらした感じの中にもいかにも悧巧そうなつぶらな瞳が光っていて、鼻筋の通った黒髪の豊な、匂うような美女である。・・・・・・(ここから先は著者:南条範夫の創作か? 醒めた炎には書かれていない)・・・・・・明治四年十一月、木戸孝允は遣外使節団の副使としてアメリカに渡った。」木戸の留守中に松子は歌舞伎役者と浮気をしてしまう。良人への裏切りだが、作者は決して松子を一方的に指弾していない。芸妓幾松は運命の力で木戸夫人松子になった。しかし一人の女性が、境遇が変わったからと言って、全く別人になる事は出来ない。松子は、幕末の京都のあの熱い空気の中で愛し合った桂小五郎が忘れられない。ところが、小五郎は木戸孝允となるや、政務に忙殺されて疲労困憊し、志士だった頃の颯爽たる面影を失ってしまった。・・・・・・と女性ならではの解説をしている。

幾松物語


そして、醒めた炎の最後には松子(幾松)の木戸に対する一途な愛情として、宮内庁書陵部蔵「木戸家文書」に収載されている松子の手紙(この時、木戸は遣外使節で外遊中)が紹介されている。曰く
「サソサソシラヌタコクヘ、ヨケイノ御シンツフ遊バシ候事トイロイロアン(案)しクラシ候ユエ、トフゾトフゾアナタ様御事ナルタケ御コゝロ御ヤスメ遊ソハシ候ヨフニクレクレモ御ネカイアけ參ラセ候。御カイ(帰)リ遊ソハシ候ヘバトノヨフニモ御セワイタシ候ユヘ、トフソトフソオンミクレクレモ御イトヒ遊ソバシ御タノミアケ參ラセ候。マタマタアナタ様イロイロ御クロフ遊ソバシ候事オンサッシモフシアケ候ユヘ、トフソトフソハヤハヤハヤ御カイリ御ホト(程)、クレクレモオンタノミアケ參ラセ候。」夫を思う女の情感が、たどたどしい筆で書かれた文面いっぱいにあふれています。 このように著者は締めくくっている。
昭和六十二年七月三十一日
村松 剛

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