長谷川勤のインフォメーション・ブログ
維新の先覚者「吉田松陰」研究のやさしい入門ブログ

プロフィール ×

kinnhase

Author:kinnhase
長谷川勤のインフォメーション・ブログへようこそ!


最新記事 ×

最新コメント ×

最新トラックバック ×

月別アーカイブ ×

カテゴリ ×

「坂本龍馬の萩訪問」
【2014/01/22 15:27】 エッセイ
「坂本龍馬を覚醒させた久坂玄瑞」

昭和40年代に一大ベストセラーとなり「日本史ブーム」を巻き起こした書物に、中央公論社の「日本の歴史・26巻」がある。その第19巻は「開国と攘夷」と題され、東京大學の教授であった「小西四郎」さんが、執筆している。この大変な売れ行きを示したロングセラーの書物に、誤記が見られる。
坂本龍馬②


坂本龍馬を「志士として覚醒させた」有名な、萩訪問(武市半平太・土佐勤皇党の密使)の描写が次のように書かれている。(259頁~260頁)
尊攘派が藩の主導権を握ったこの時期に、長州藩の志士は尊攘派の代名詞となり、長州はその拠点ともなった。すでに高杉晋作は坂本龍馬に宛てた手紙に「諸侯恃むに足らず、公卿恃むに足らず、草莽志士糾合の外にはとても策これなき事と、私共同志中、申合せ居り候事に御座候。失敬ながら、尊藩(土佐藩)も弊藩(長州藩)も、滅亡しても大義なれば苦しからず」と、尊攘の「大義」実現には、藩の滅亡も苦しからずといい、幕府や藩を否定しようとする考えにまで進んでいた。

これは事実誤認の記述である。以下、三つの点で誤っている。①坂本龍馬は武市半平太の使者(密旨)として萩を訪れた。②手紙は武市半平太宛である。③高杉晋作が書いた手紙ではない。この時期、高杉は江戸から長崎経由で上海に向かっていたので、萩にいない。高杉年譜では文久二年一月四日、江戸出発、二月初旬長崎着となっていて、高杉は太平洋の船中にある。海原徹著:高杉晋作、301頁。以下、これの研究書を辿ることで、久坂玄瑞が坂本龍馬を覚醒させる談論、書簡を書いたことを確認する。
久坂玄瑞(小)24.3.25


これを、信頼するに足る、全集や、研究書で確認して見る。文久二年正月十四日と二十一日 ⇒ 久坂玄瑞全集41頁・年譜に、先生(久坂)、中谷正亮と共に、坂本、田上の遇する修業館を訪ね共に國事を談ず、二十三日坂本、田上共に萩を去る、先生龍馬に一書を託し、武市に告げて日「竟に諸侯恃むに足らず・・・・・・」。とある。
坂本龍馬全集の年譜・917頁にも「文久二年一月十四日武市半平太の使者として長州萩へ趣き久坂玄瑞を訪う。」と」両方の全集の年譜が符号する。同じ久坂玄瑞の書簡集にも、このことは坂本君にも篤とご熟考可被下候とあって、この書簡末尾の宛名には「武市先生」とある。中公新書「武市半平太」58頁に著者の入交好脩は、次の様に記述。「坂本が半平太の密旨をもっての訪問であったことは明白である。このとき坂本に託した久坂の文久二年一月二十一日付の半平太宛の書簡は圧巻である」。同じ中公新書で坂本龍馬の著者の池田敬正は、その52頁に「瑞山(武市)は、つづいて一八六二(文久二)年正月、龍馬を長州に派遣する。龍馬が萩の久坂を訪ねたのが正月十四日・・・・・・久坂が瑞山にあてた手紙には、草莽志士糾合・・・・・・」と記述されている。

この有名な久坂玄瑞の時勢観は、正しく「吉田松陰」の「草莽崛起論を継承発展させたもの」である。吉田松陰は、下田蹈海、松下村塾の主宰者、留魂録を書き残した人物として、幕末維新期の先覚者として知られるが、実はこの「草莽崛起論」の提唱者としての存在意義は大きい。松陰先生の思想、行動は、松下村塾の門下生に「松陰精神」として受け継がれるが、とりわけ、ここに見られるような久坂玄瑞は、その第一人者であった。此の時が文久二年であるから、「大政奉還」に先立つこと五年である。この頃からすでに、新国家構想がなされていたことに、注目すべきであろう。

また、久坂の結成した「光明寺党」が、後に「奇兵隊」として結実し、さらに支配階級であった武士を凌駕する戦闘能力として「四境戦争」や「戊辰戦役」を通じて、大村益次郎に継承発展されて行く。
近代国家の「防衛手段」は、組織・訓練された「明治政府の軍隊」(天皇の軍隊)として整備されていく。明治国民国家形成と並行して、徴兵令を実施して山県有朋を頂点とした、軍事組織(軍隊)として生成発展を遂げ、昭和20年8月まで猛威を振るう存在となる。
関連記事
スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kinnhase.blog119.fc2.com/tb.php/291-e6127ab2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


サイドメニュー ×
メニューA  メニューB

検索フォーム ×

RSSリンクの表示 ×

リンク ×
このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム ×

この人とブロともになる


QRコード ×
QR