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廣瀬豊著『吉田松陰の研究』
【2014/10/01 12:49】 エッセイ
『吉田松陰の研究』

戦前の「吉田松陰研究者」に廣瀬豊さんがいる。この方は、福島県出身の「退役・海軍大佐」である。昭和11年の『定本版・吉田松陰全集』の編集委員を務めた方であるから、当時に於て著名な吉田松陰研究家であったことが解かる。
140928吉田松陰の研究廣瀬豊


定本版吉田松陰全集の編集委員は、当時の日本の第一級の吉田松陰研究者の方々であった。参考までに名前を記して見ると
「監輯」徳富猪一郎、渡邊世祐 「編集委員」安藤紀一、廣瀬豊、玖村敏雄の五名である。(定本版吉田松陰全集12頁記載)そうして、吉田松陰全集編纂發行の希望が「山口県教育會」の議に上ったのが「昭和六年九月五日」に開かれた幹事會の席上であった。(全集第十巻・編纂發行の経過大要三頁)

これが最初に発行されたが第二巻で、昭和九年十月八日である。完結が第十巻で昭和十一年四月二十一日である。発議から五年の歳月を要したことになる。壮大な編纂計画であったことが容易に察せられる。昭和九年十月三十日には宮内大臣の許可を得て全集を、「天皇陛下」、「皇后陛下」、「皇太后陛下」に献上を許されたと書かれているから、完結の暁には献上されたのである。一市井人の「個人全集」が皇室に献上されるということは、異例中の異例であろう。

こうして、安藤、廣瀬、玖村の三氏の精力的な編集活動が始まったわけである。全国各地に散在している「松陰関連資料の蔵者」を尋ね、閲覧、書写、聞き取り、等々の難事を重ねて成った「定本版吉田松陰全集」である。

此のことについては前記の「全集編纂経過大要」(山口県教育會主事・齋藤彦一氏記)と廣瀬豊氏の『吉田松陰の研究』(東京武蔵野書院)の第四編・【史料採訪】(624頁)に詳しい。そこには、毛利公爵家(東京府芝区高輪)から始まって、原宿の吉田茂子(吉田家直系)、荒川区日暮里の楫取三郎(楫取男爵家)、毛利藩家老だった益田兼施(荏原区中延)、一族、親戚、門下生関連、友人、知人等々を歴訪して「史料探索」を行ったことが、訪問した個人名を明記してある。この二つを読むことで、編集の難行苦行が大体解かるのである。

さて、この記事で最も書きたかったことを記す。それは『吉田松陰の研究』の621頁に「松陰の崇拝者」の項がある。そこには、次のように書かれている。
吉田松陰


『松陰の崇拝者は世に澤山あるであらう事は想像に難くない。先づ東京及び萩の松陰神社に参拝する人は一年に十萬とは下るまい。而してこの傾向は益々盛大になって行くやうである。然しここに掲ぐるものはそれとは又別の統計である。
一、 少壮教育家の崇拝人物調査 
昭和八年三月全國師範卒業生一萬四千名に紙票を配布し、一萬餘の回答によったものである。
主なる崇拝人物順位 
男子部 (1)吉田松陰。(2)西郷隆盛。(3)ペスタロッチ。(4)乃木将軍。(5)楠正成。(6)ナポレオン。(7)リンカーン。(8)二宮尊徳。(9)中江藤樹。(10)教師。(11)豊臣秀吉。(12)日蓮。(13)孔子。(14)荒木陸相。(15)濱口雄幸。(16)東郷元帥。(17 キリスト)・・・・・・以下略す。
女子部 (1)ペスタロッチ。(2)吉田松陰。(3)乃木大将。(4)西郷隆盛。(5)乃木夫人。(7)九條武子。(8)楠正成。(9)孔子。(10)校長。(11)キリスト。(12)親鸞。(13)税所敦子。(14)松岡洋右。(15)菅公。(16)釈迦。(17)ベートーベン。・・・・・・(23)二宮尊徳』
  
これで見ると、男子部に於いては松陰の人望はたいしたものである。女子部に於いては第二位にあるは「教育の神吉田松陰」をまだよく知らぬ人があるからかもしれん。それにしても斯くの如き教育者の幼き國民に與へる影響は蓋し大きなものがあるであらうと思ふ。
尚ほこの調べは支那事變勃發以前であるから、その後日本精神の高揚を叫ばるる現代に於いては 更にこの調査に就いて地方別にして見れば次の如くである。(1)中國314、(2)關東306、(3)九州299、(4)中部249、(5)北陸172、(7)四國157、(8)東北111、(9)北海道27、(10)臺灣18、  

この傾向は東京は國人の集まりであるから別として、地方的に考ふれば西南に多く、東北に少ないと云ひ得る。これは如何なることを示すか。よく考へて見ねばなるまい。
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