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【吉田松陰の母】
【2019/11/27 17:58】 エッセイ

『松陰の母の手紙』ー絶食中止を願う母ー

吉田松陰全集に唯一収載される『母・たき』の手紙。
安政六年正月二十五日。松陰は至誠を込めて尊王攘夷の実践を目指したが、
師友の受容れるところとならず、絶食の挙に出た。
二十五日にこの絶食のことは同囚の安富惣輔から両親に伝えられた。

180202松陰の母 たき


憂慮した母は、遂に野山獄にいる松陰に宛て手紙を書いて届けた。
短文なので、全文を記します。

母杉滝より 正月二十五日(母在萩松本・松陰在野山獄)

一寸申し参らせ候。そもじ樣いかが御くらし成され候や。
さきほどにふりょ(不慮)の事うすうすみみ(耳)に入り、あまりきづかはしきに申し進じ参らせ候。
きのふよりは御食事御たち(断)とか申す事のよし、おどろき入り候。
萬一それにて御はて(果て)成され候てはふかう(不幸)第一口をしきしだいにぞんじ参らせ候。
はは事もやまひおほくよわり居り、ながいきもむづかしく、
たとへ野山やしきに御出で候ても御ぶじにさへこれ有り候へば、せい(勢)になり力になり申し候まま、
たんりょ御やめながらへのほどいのり参らせ候。
此の品わざわざととのへさし送り候まま、ははにたいし御たべ頼み参らせ候。
いくへもいくへも御心御ひきかへ、かへすがへすもいのり参らせ候。
めで度く、かしこ。

ははより

けふ(今日)

大様
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