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ペリー来航と吉田松陰①
【2010/11/04 09:25】 エッセイ

吉田松陰は23歳の時、友人であった宮部鼎蔵(熊本藩士・山鹿流兵学者)等と共に、東北地方の沿岸防備視察に出発する時「過所手形」の発行を待たずに出発した為に脱藩行為と看做されて、藩から譴責を蒙ったのである。
それは、吉田家取り潰し、士籍剥奪となり、いわるゆ浪人となったのであった。正しく言うと、長州藩特有の「育」(はぐくみ)という中途半端な状態に置かれたが、実は松陰の才能を惜しんだ藩主の意向がはたらいていた。
つまり松陰は、特例として扱われて命拾いをした結果なのであった。
また、その背後には、松陰自身が日本流の兵学では世界に対応できない。西洋兵学を取り入れなければ、世界に伍して行けないことを、鎮西旅行で知ったのである。長崎でオランダ軍艦を視察して、日本流兵学の限界を悟り、長州藩の兵学師範を捨てるためにはこのような方法を、結果を予測しつつ、あえて敢行したのが実際なのである。
ペリーの顔2012.02.08




時の藩主は期待していただけに、大変残念がったが、将来の「お家再興」を視野に、十ヵ年諸国遊学をさせた。半年かけて、大和等で遊歴をしながら5月24日に江戸に到着した。師の佐久間象山や伯父の竹院和尚を訪ねているうちに、6月3日「ペリーの来航」の報に出会う。翌日、浦賀に急行して黒船を詳細に観察。三年前に鎮西遊学時、長崎で乗船して観察した「オランダ軍艦」に比して、はるかに巨大なペリーの艦隊の背後にある「国力や文明の力」、「技術力」を洞察して残念がった。

これが恐らく「ナショナルアイデンティティ」の嚆矢と見てよい。つまり日本人または日本国の自覚である。それまでの日本には「日本人」という意識は殆どなかった。ペリーの使命は開国させることにあったが、威嚇の砲艦外交に憤慨する。「城下の盟」の屈辱に、ペリーにも幕府の閣僚にも怒りを発する。
再航時には必ず戦いとなると予測したが、幕府の腰砕けに失望する。「日本人としてのプライド」はどこにあるのかというわけである。対等外交こそ松陰の願いであったのだが、空しく潰えてしまった。ここから密航によって米国視察を念願する(幽囚録)が、その試みは失敗に帰す。以後自由を奪われた人生となるのは周知の通りである。
ナショナリズムは近外国家の属性と言ってよいが、異国との接触や紛争によってこれは喚起される。吉田松陰はその最初の人といってよい。本来は「尊皇開国」が持論であったが、俄然開国を捨てて「攘夷」に転じることになる。

今回の「尖閣列島」問題や、ロシア大統領の「国後島訪問」は、松陰の認識と重なる。幕末期に「竹島領有」を最初に指摘したのも松陰である。明治以降の日本を称える論は多いが、明治維新の新政府樹立の77年後の姿は、明治維新の精神をどこかに置き忘れてきてしまった。そして、今では自国を守る軍隊すら「まやかし」で憲法9条の解釈を運用している実情である。憲法前文や、第9条を読む限り、戦力を保持しないのだから近代国家に値しない。憲法を堂々と改正しない限り、自国を守る根拠が脆弱なままである。自衛隊の皆さんが、心苦しい思いで職務に励んでいることだろう。韓国、北朝鮮、中国、ロシアに見下され続けているのが日本の戦後である。何故か?それは近代国家に固有の軍隊、戦力を憲法に明記していないまま、解釈だけで、こじつけの「自衛隊」を存在させることでお茶を濁しているからである。米国から再軍備の要請に応えられなかった「つけ」がこんな形で係争となることは、予想できなかったでは済まされないだろう。吉田松陰が下田密航に失敗した時に歌った「世のひとはよしあしごともいわばいへ賤が誠は神ぞ知るらん。」の気概が国会議員にどの程度あるか疑問である。命懸けで国を守るのが国会議員の職務である。フォークランド諸島を守るために、即刻軍隊を派遣した「サッチャー首相」に学ばないといけない。だから今回の一連の紛争は、足元を見られ透かした近隣諸国からの侵略的行動が絶えないということになる。

終戦時、旧ソ連(スターリン)は北海道の北半分を領有しようとした。米国の反対で実現しなかったが、北方諸島は未だに実効支配されたままである。知床半島から望む国後島を見た時の無念な思いは、私の胸中から永遠に去らないだろう。今回ほど、国策を誤ることの怖さと、憤りを覚えた国民は多いに違いない。不可侵条約を一方的に破棄して攻め込んできたソ連、終戦前後の満州の悲劇、北海道領有の野心、李承晩ライン等、皆日本の国策の誤りに起因している。
戦前の軍人が国政を捻じ曲げた事実を、反省を込めて見つめなければならない。軍人政治家とは何であるか?と。日露戦争後の日本は、どう考えても国の進路を誤ったとしか言いようがない。勝てないはずの戦争に勝った?ことが逆にアダになってしまった。「朝河貫一」博士が黄泉の国で泣いていることだろう。
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中国人に「今でも中国人は社会主義や共産主義を信じているか」と聞いたことがある。すると相手の中国人は、「他に適当な思想がないからね。中国は大きいから共産主義に代わる強力な思想がないと、束ねていくのは大変だ」と。
つまり社会主義・共産主義は、民衆をおさえる政治の手段として使っただけだ、というのである。別の中国人は「共産主義というのは、一種の宗教だ」と言い、別の中国人は「日本こそ完全な社会主義だ」と言ったのを聞いたことがある。
そういえば中国は4千年の歴史があると言っても、所詮「殺戮の歴史」で、ずっと王朝の変型を続けているだけで、一度も社会主義にも共産主義にもなったことはないのだ。
だから共産党一党独裁といいながらも、人口ばかり多くとも誰も共産主義を信奉なんかしていないだろうし、資本主義社会よりずっと拝金主義が徹底している国だと思う。
中国人が本当の「民主主義」に目覚めるのは相当先の話だ。
そういう国とは世界の常識が通じないと思わないといけない。
【2010/11/05 11:39】 URL | tadashi #- [編集]
鳩山クンの東「アジア共同体」論はアホな妄想と言うべきだろう。そもそも「欧州がEUとして共同体を作ったからアジアでも」という発想自体が、欧州の特性とアジアの特性の違いを解かっていない単なる欧州の猿真似と言うべきだろう。EUが曲りなりにも運営できているのは強い共通基盤としてのキリスト教、かつてのラテン語公用語文化、現在の民主主義といった共通基盤が存在しているからだ。しかもそのEUですら、いまやユーロ加盟国の財政危機で揺らいでいる。まして、「アジア」というのはそれこそ欧州人が勝手に名付けた地理的な「概念」に過ぎず、欧州に匹敵するような文化的、歴史的な共通基盤があるわけではない。
もしアジアで共通基盤があるとすれば、かろうじて東アジアの日本、南北朝鮮、中国、ベトナム、台湾を包摂する「漢字文化圏」くらいだろう。
それにしても今回のロシア大統領の北方四島訪問も日本は舐められ過ぎているなあ。
2回も国費でロシア訪問した鳩山クンは一体何を話してきたんだい ? 自分の息子の様子見か ?
こんなトンチンカンの鳩山クンは政界から早くリタイアーして欲しいものだ。
これこそ国費のムダ使いだと「シワケ」して貰いたいもんだ。
【2010/11/04 13:01】 URL | Aya #- [編集]
米国にはイラク戦争に反対して数十万人規模のデモを展開できるほどの健全な市民社会が存在するが、
中国人の間からチベット弾圧に抗議する声は起こらない。中国政府が弾圧しているからといういい訳は通用しない。米国政府であっても反政府運動を弾圧したい点では同じである。しかしそれを跳ね返すだけのエネルギーが米国社会には存在する。中国にはそうしたエネルギーがないか、そもそも今の中国社会に良識が欠落しているのだ。しかも中国人の場合、言論の自由がある先進国に暮らしている人でも、チベット弾圧に抗議の声を上げる人は殆どいない。つまり、中国が独裁体制なのは一方的に政府が弾圧しているのではなくて、中国人自身に良心がなく、人民自身がそうした独裁体制を支えている共犯なのである。一方米国の場合は、米国政府を憎んだとしても、多様な人で構成され、良識派も3割はいるだろう米国人社会を遠ざける理由はない。その点でも「米国離れ,中国重視」を主張する一部の知識人は、どこか勘違いしているように思えてならない。
そもそも「アジア重視」という意見の多くが、「中国重視」になっているところも問題だ。米国という超大国の横暴に反発するなら、なぜアジア地域において米国以上に嫌われ、脅威と見なされている人口大国、中国を選ぼうとするのか。なぜ「アジア重視」と言いながら、ブイリピンやマレーシアや台湾ではなくて、あえて中国だけなのか?このような小国無視の姿勢では、イラクを叩き潰したブッシュ政権となんら変わるところなどない。ブッシュ政権の横暴を批判する人の中には、中国に甘く、アジア小国の苦悩を軽視する人が多い。「米国の代わりに中国」という選択では、多くの日本国民やアジア人は納得できず、説得力がまったくない。
【2010/11/04 10:54】 URL | S.T #- [編集]

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