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松陰と儒教⑤
【2010/11/21 17:47】 エッセイ
今日から、『四書』を離れて吉田松陰の著作との関連で、掲題のことを検証することにしたい。「吉田松陰は儒教の申し子」といったが、全集の中から此れを抽出してみる。松陰は「思想化」の一面をもつが、その思想検証にもなると思う。全集の随所に、思想の一端を垣間見る事が出来るが、ここでは『武教全書講録』(全集第四巻)から見てみよう。



「吾れも人も貴き皇國に生れ、特に吾々は武門武士たる上は、其の職分なる武道を勤め、皇國の大恩に報ずべきは論にも及ばぬことなり。」これを書いたのが安政三年八月であるから、松陰主宰の「松下村塾」のはしりの時期である。
「士は農工商の業なくして三民の長たり」と、松陰は先ず武士階級を措定する。(実は山鹿素行の論)そして「士道といふは、無禮無法、粗暴狂悖(きょうはい)の偏武にても済まず、記誦詞章、浮華文柔の偏文にても済まず、真武真文を学び、身を修め心を正しうして、國を治め天下を平かにすること、是れ士道なり。」と士道論を語っている。
また「大学の書は、古の大学にて、太夫元士の適子、凡民の俊秀迄を教ふる所なれど、其の教亦治國平天下に及べり。これを以て知る。僅かに士となりて農工商の間を離るれば、直に治國平天下迄へ心を配り、世の治安、政の和平を補佐し奉るの誠心なくては叶はぬことなり。」まことに、儒学の目指す「修己治人」「治国平天下」を地で行く姿である。
孟子24.4.23


大事なことは、次の文である。「君は國の幹、民は國の本、臣は君民の間に立ちて、君をして仁に、民をして業に勤めしむ。」封建体制のなかで武士の心得や士道論を説いているのである。これに「学は人の所以を学ぶなり」を加えて考えてみると、松陰の勉強家ぶりがよく理解出来るのである。「率先垂範して学問の実践」を松下村塾生に説いても、その説得力の大きさが解ろうというものである。「学は物に格(いた)り知を致さんが為めにして、異國の俗を効(なら)はんが為めに非ざるなり」と云う所亦尤も思ふべし。格物致知は大学に見ゆ。」四書の文言が随所に顔を出している。
今日は次の極め付きのことばを記して終わろう。「禮義作法は総べて君臣の義、父子の親、夫婦の別、長幼の序、朋友の信に落着することなるに、其の所へは反つて心付かずして、威儀容止の節、宮室衣服の制等の瑣事に拘ること、是れ大いに誤なり。」儒教の申し子と呼ぶに相応しいことばが連続している。以上『武教全書講録」』からの抜粋で書いてみた。

このあまりにも、あまりにも真面目すぎる君子を目指したところに松陰がNHKの大河ドラマに取り上げられない理由になっているようである。坂本龍馬との人となりの違いである。

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この記事に対するコメント
10年も前に書かれた、英国エセックス大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの教授を歴任した、森嶋通夫の経済書、「なぜ日本は没落するか」(岩波書店)をもう一度読み直してみました。
今日の日本の状況が見事に予測が的中しているのには驚かされます。
いかに教育が重要であるかを認識しなければなりません。
これを読むと当分の間これから先も、明るい兆しは見えないでしょう・・・。
参考までに以下、一部抜粋して明示してみる事とします。
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社会の動きを、人口という土台の動きから導きだす思考の人口史観で一番重要な役割を演じるのは、経済学ではなく教育学である。そして人口の量的、質的構成が決定されるならば、そのような人口でどのような経済を営み得るかを考えることが出来る。土台の質が悪ければ、経済の効率も悪く、日本が没落するであろうことは言うまでもない。

バブルがはじけるとともに、全く無風の凪の状態では経済の船は動かなくなった。
しかも日本の政治家には風を自主的につくり出す能力がなかった。
敗戦後の占領状態が解除された後もアメリカが作ってくれる風の吹くままに従順に、風を企業に中継するしか能がなかった日本の政治家は、無風状態の時代には拱手傍観するだけだった。
日本の政治家や官僚のこのような誰かの指令に忠実に従うという態度は、戦前・戦中の軍部独裁時代に彼らが学び取ったものであり、彼らはその同じ態度を、戦後および朝鮮・ベトナム戦争時代にアメリカ政府に対して示し続けた。日本は卑屈なまでに忠実な敗戦国であり、このことが日本が成功した最大の理由である。
しかし無風状態の下では、日本は忠実に振る舞う相手を持たなかった。
こういう卑屈な自信のない上部構造の下では、日本は蟻地獄を脱出する力を持たず、土台は動かず、日本の苦悩は長年に渡って続くしかない。

教育が大切だとしても、今の日本の学校教育は文部省の統制でどうにもならない。
それに、○×式思考の習性から、知識を集めることを学問と思っており、思考能力が欠如している人を養成しているから、イノベーションを起こせるわけがない。
日本は「黒船」でしか動かん国だが、今はそれがやって来ているのにそれさえ分からず、政治家はポカンとしている。ここは少数でも目覚めた人が動くしか手はない。

出来ないようなら日本は孤立、衰退することになるだろう。
かつて繁栄し、衰退したローマ帝国やスペインのようにである。
既に米中は接近しつつあり、それに韓国を呼び込むかもしれない。
日本人は白人好きで、アジア入嫌いという悪癖があり、米、加、豪、ニュージーランドとならすぐにも共同体を作るだろうが、アジア人だと尻込みしてしまう。
今は日本人が打ちひしがれている時だからアジアで元気づけして飛躍する絶好のチャンスだ。

21世紀半ばの日本の政界、経済界、官界を担う人達は、現在学生・生徒として教育の過程にある。
近い将来、たとえば今後10年ほどで彼らの高等教育はほぼ完了するから、彼らがどんな教育を受けた人間として世の中に出ていくかが推定できる。
つまり、21世紀半ばの社会上層部の資質は、現在の若者を見れば分かるというのである。
擬似自由主義、擬似個人主義、擬似民主義ではない、自由主義・個人主義・民主主義が根付くか否か。
今後、日本は底辺から崩れるのではなく、むしろトップから崩壊する危険性が大きい。
【2010/11/22 15:06】 URL | 日本再生を全く諦めた男 #- [編集]

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