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「福澤諭吉と吉田松陰」
【2010/12/12 14:45】 エッセイ
尊王論は攘夷論と相俟って幕末期の政治的なスローガンとなり、苦悶する徳川封建体制を瓦解させる力となった。つまり、徳川幕府への大政委任の名文論に対する突破口となったのであった。江戸期を通じて、それまで存在感のなかった天皇と朝廷は、衰退する幕府の統治能力に呼応するかのように、開国を機に復権を果たす事になる。
________________福沢諭吉      吉田松陰

この魁としては吉田松陰の尊王論が有名であるが、彼は敬神家にして尊皇家の家風に育ったので、ある種の体質のようなものともいえるものであったが、その背景には幼児から勤しんだ学問としての儒学への絶対的信頼に裏付けられたものがあった。
此れに対して儒学嫌いの福澤諭吉は、十四歳で学問を始めたという。これは当時としてはかなり遅れた就学年齢だった。将に松陰と対照的な学問の出発であった。漢学者の父が固定した封建身分世襲制ゆえに、潜在能力を発揮することなく、無念の生涯を送ったことを慮って「封建門閥は私にとって親の仇である」とまで言い切ったのであった(福翁自伝)。とはいえ福澤は『春秋』(四書五経の一つ)を殆んど諳んじられるほど迄儒学の勉強をしたのであった。

松陰が下田からペリーの艦隊に乗船し、海外視察を試みて失敗した安政元年。その年に福澤は兄三之助の勧めで「蘭学」を志して長崎へ向かった年でもあった。時に福澤十九歳、中津の風習に苦難を忍んでいた福澤の、大いなる飛翔を期しての人生の再出発である。
以後、洋学に勤しんだ結果、啓蒙学者として縦横無尽の活躍をし、数多の功績を残す。維新を実現して明治時代の中期に、福澤は五十歳を過ぎて名実ともに円熟期を迎えた頃、冷静な思いで尊王論を書いている。そこには「我大日本国の帝室は尊厳神聖なり」と書き起こし「帝室は我日本国に於て最古最旧、皇統連綿として久しきのみならず、列聖の遺徳も今尚分明にして、見る可きもの多し。天下万民の共に仰ぐ所にして、其神聖尊厳は、人情の世界に於て、決して偶然に非ざることを知る可し。」と記している。
時代は憲法発布や教育勅語煥発、国会開設を成し遂げ、明治天皇制国家が完成しつつある時期でもあった。したがって、吉田松陰の奮闘した幕末期の尊王論と、明治新国家の完成期に書かれた福澤の尊王論はその趣をかなり異にする。適塾と松下村塾24.3.25


中津藩の下士に生れた福澤は封建門閥を嫌ったが、反面、中津藩の上士の娘と結婚という幸運にも恵まれたのであった。上士と下士の結婚ということは殆んど考えられない時代であったが、福澤の人となりを見込まれた異例の結婚だった。そういうこともあってか、福澤は「お錦さん」と呼んで生涯妻を大切にした。子宝にも恵まれて、仲睦まじく、家庭人としても幸せな人であった。一方松陰は、三十歳までは修行に専念するため、妻帯しない人生設計を考えていたが、独立した家庭を持つことなくその生涯を閉じたのであった。反面、松陰もまた女性には大変思いやりのある妹宛ての書簡が残されている。
幕末維新期で女性教育を真剣に考え、著述を残したのも福澤と松陰である。男女同権に近い考えを共に有していたのであった。

松陰の遺著となった『留魂録』には、人生の長短を越えて生涯相応の人生の完結があるという有名な文言が書かれている。三十歳で生涯を閉じた松陰に対して、当時としては平均年齢ともいえる生涯を送った福澤であるが、「死して不朽の見込みあらばいつでも死すべし、生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし」と門下生の高杉晋作に教えた松陰の死生観は、福澤の二度にわたる生死を彷徨う大病にも天の声として、長生させたのかも知れない。時代の危機には英傑を輩出させるといわれる。この二人の英傑は正反対の人生を生きたように見えるが、その実共に人生の役割を果たし終えることの出来た見事な人生行路を歩んだといえるのである。そして「教育者」として不朽の実績を残したのも、この両者なのであった。
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