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【2010/06/21 10:28】 エッセイ
「文化教育研究所 平成20・21年度研究年報」から
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志に生きた吉田松陰
松陰大学吉田松陰教育センター 松陰大学講師 長谷川勤

松陰は、安政三年、二十六歳の時に、従兄弟の「加冠の儀」に贈った『士規七則』で「志を立てて以て万事の源と為す」、と人間(武士)の生き方の中でとりわけ「志」を持つ生き方の大切さを説いている。
この「志」は松陰の多くの著作中で最も使用頻度の高い言葉であるが、時代を超えて松陰精神が脈々と生き続ける最大の理由がここにある。
松陰に学ぶ者は常にこのことを心して学ぶ事が大切である。私達は松陰から多くのものを学ぶ事が出来るが、とりわけ「志を立てて生きる」という事は普遍性を持ち人間の本来的なあり方を提言しているゆえに魅了して止まないのである。それは現代人の生き方への警鐘でもあると考えられる。
私は「松蔭大学」で『吉田松陰論』を担当して、学生諸君と一緒に吉田松陰の勉強をしているが、授業では必ずこの『士規七則』を全員で読むことにしている。
松陰にとっての「志」は個人のレベルに止まらず、国家的にも要請される。彼の主著の一つである『幽囚録』でも次のように言う。「今は則ち膝を屈し首を低れ、夷の為す所に任す。國の衰へたる、古より未だ曽て有らざるなり」と。
松陰にとっては、士道の衰退が国家(日本)としての「志」に裏打ちされた政治意識の衰退と認識される。それが幕藩体制下にあって、祖法遵守を金科玉条に「外圧」からの危機に瀕してもなお国家的自覚が欠如していた幕府の要路者の無策ぶりに、「やむにやまれぬ大和魂」として命がけの行動へ駆り立てた。
現代の若者に限らず、成熟社会の名の下に豊かな社会が現出した今、「志」を持つ生き方が切実に問われているのではないか。志が己の使命感と一体となって自覚されたとき、「生きる力」となって人生は希望や躍動感を伴った力強い生き方になってくるものである。晩年の死生観や最後の著作となった『留魂録』でも門弟たちへ自分の死の報にも哀しまないよう呼びかけている。
十月二十日の『諸友宛』には次のように書かれている。「今茲五月、檻輿國を去る、平生の心事具さに諸友に語り、復た遺缺なし。諸友蓋し吾が志を知らん、為めに我れを哀しむなかれ、我れを哀しむは我れを知るに如かず。我れを知るは吾が志を張りて之れを大にするに如かざるなり」と。門下生たちに立志と実行を強く要請し、そして自らの死が迫りながらなお諄々と語りかける強い志。門下生の人となりを見抜いて、個性に応じた志操教育を実践し、最後に自らの志に殉じた松陰。こうしたところにこそ松陰精神の不滅性があり、大きくは松陰の「至誠」であったと考えられる。それゆえに『至誠而不動者未之有也』(至誠にして動からざる者未だこれあらざるなり)を人生の座右の銘とした。
最後の最後まで人を信じきった松陰の姿である。
失われつつある人としての道(大義)への警鐘として、常に現代的意義を失わないのみならず、永遠に生きる人としての松陰が説き続けたものを我々は受け止めかつ継承していかなければならない。
そこには価値評価を超越して松陰の真剣な生き様から学ぶ事こそ、日本人としての誇りとして我々の心に生き続けなければならないと考えるのは、一人私だけではないだろう。

現代教育に人間教育としての視点が欠如していると言われて久しい。厳格な身分制に支えられていた封建社会で、人間の平等性と尊厳を認めて既成概念に束縛されずに実践した松陰の教育、まさしくそれは人間教育、志操教育の賜物であった。その「志」の堅固な生き様に対し、松陰の死を聞き、遺書を読んだ父の杉百合之助は次のように松陰を称えた。「嗟吁、兒一死君国に報いたり、眞に其の平生に負かず」と。「志」はその持続性をもって「志」たり得る。その意味で「立志と実行」を果たし続けた松陰の生涯は、常に我々にどう生きるかを問いかけてくるのである。

全国に知られた[松陰教学の研究振興]等を主宰する一財団法人松風会1)一発行の機関紙「松門」2)(No.39,2~3頁。平成21年12月10日発行)に、松陰教育研究センター長谷川主査の論文『志に生きた吉田松陰』(松風会からの執筆依頼)が掲載された(《抄録》参照)。
注1)山口県教育会が後援
2)約1万部発行
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