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吉田松陰全集について③
【2011/04/11 16:14】 エッセイ
(3)、大衆版(大和書房
尚、この全集は「江湖の要望」に応えて、2012年2月再度、刊行されました。少し装丁が異なります。

「刊行のことば」

幕末の俊傑吉田松陰に対して、山口県には今もなお「吉田松陰先生」という敬称をつかって呼ぶならわしがある。これは単に松陰が当時生国萩の城下において、山鹿流兵学の師家を継いでいる好学有為の青年として得た信頼からだけのものではない。

三十年を一期とした短い生涯ながらも、最期の際まで道を求め続けるという厳しい人生の歴程が、そのまま真摯な人間行者としての鑑であり、また青年の誘掖にあけくれした罪余の生活が、そのまま偉大な教育哲理の実践であったという事実として、郷土後進の胸裡に敬仰思慕の灯を点じ、脈々として今に伝承したものである。これをただに地縁に結ばれた郷土人の親昵感からくる素朴な情誼としてのみ看過してはならない。松陰先生こそ時代に若さをつくる人間の原型であり、民衆が思慕する魅力ある未完成の人間像である。
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松陰先生が安政の大獄に連座して、江戸伝馬牢の獄舎で刑死されてこの方、百十余年、その間、日本の歴史は幾たびか危急の命運に曝されながら激しい変転を重ねたのであるが、時代が大きく転換をするたび毎に松陰先生の行動とその精神は、常に新たな時代的意義のもとに再吟味されて、時流の動向に大きな啓示を与えてきたのである。

たまたま現在日本の社会も、そしてまた教育も、ともに大きく変革を迫られているさなかに、時務にさとい松陰先生が緊迫した時局の中で、みずからの国民的自覚を練り鍛え、奉公の至誠に死命を賭けて、血みどろ汗みどろで書き綴ったその生活史ともいうべき厖大な述作が、新たな日本改造時代の貴重な資料として見なおされ求められているのは、実にこの故に他ならなのである。

山口県教育会は昭和の初頭、松陰研究資料を求める江湖の強い要請に応えて、当時全国に散逸していた松陰遺文を集大成することを発願した。まず監修を徳富猪一郎・渡邊世佑の両先生に、編集を安藤紀一・廣瀬豊・玖村敏雄の三先生に委嘱した。当時松陰研究の最高権威であったこれら諸先生を煩わすこと実に前後五カ年という長い日子を費やし、ようやくにして岩波版吉田松陰全集全十巻を完成した。まさに松陰研究の定本として永劫に伝えるべき不朽の原典である。
しかしその遺文の多くが漢文であることから、一般には訓読には困難を感ずるという憾みを残しているので、改めて平易な普及版の発行を企て、引き続き廣瀬・玖村の両先生に新たに西川平吉先生を加えてその編集を委託した。かくして漢文はすべて国文に書き流し和文も讀み易くして送り仮名・句読点を加え、必要な箇所には簡明な註解を施すなど、訓読を容易にして国民の書ともいうべき岩波普及版全十二巻を読書界に送って、ひろく松陰研究の門戸をひらくことに努めたのである。

爾来三十年を経た今日、現在の読書に適応する松陰研究資料を渇望する声しきりなのに応えて、本会はここに三たび松陰全集の刊行を発意した。編集についてはなるべく松陰述作の原形を保ってその感触香気を失わないようにとの配慮から、本文はすべて前普及版を底本としてこれに準拠した。そして読み易くするという意図から、この中の難解漢字の多数に読み仮名を振り、またその註解は表記を改めるとともにさらに大量に増補した。これによって親しみ易い国民の書、青年の書というにふさわしい体裁をととのえて、ここに大衆版吉田松陰全集全十巻を刊行する


時あたかも学制頒布百周年の記念すべき年に際会して、本全集刊行の意義はさらにその輝きを加えたのである。これによって今後ますます松陰精神が高揚顕示され、新日本のたくましい建設に大きく裨益することを切に祈念してやまない。この全集の訓読・注解の改訂に関しては山中鉄三ほか多くの諸氏を煩わし、また出版責任のすべては大和書房が担当して奉仕的な尽力をされた。発刊にあたって多方面からいただいたご好意ご協力に対して深甚の謝意をささげる。

昭和四十七年十二月十日
山口県教育会
最新版松陰全集


※この三つの「松陰全集」は、編集趣旨が異なるとはいえ、読み比べることによって松陰の何たるかを読者は、もう一度考えてくれることを願って書きました。
正味二日間の時間をかけました。達成感らしきものを感じます。

なお、この大和書房版『吉田松陰全集』は、昭和47年の刊行後、半世紀近くが経過したが、吉田松陰研究者は、ますます増加しているようである。
時代の閉塞感を打ち破るために、吉田松陰を学ぼうとする日本人が増加している。まさしく時代の要請なのかもしれない。現に、吉田松陰の関連書籍は、毎年刊行され続けている。
ある意味で、吉田松陰人気は「永久不滅」の感さえある。時代と格闘した「吉田松陰」、その辞世の句そのままに、「観照明神に在り」というごとく、神は決して松陰の思いや日本の為に命をささげたことを決して忘れはしないということが150年経た今日も、まったく色褪せていない。
平成24年初頭、再度大和書房は「吉田松陰全集」を再販した。全10巻の定価が税込みで10万円を超す。
それでも、松陰研究者の願いに応えるかのように、刊行した。松陰研究者にとってこれほどの悦びはないであろう。同時に、松陰ファンにとってもこれ以上のプレゼントはないかもしれない。
願わくば、心ある日本人、とりわけ純粋に日本を思う心ある政治家は、自分で研究するくらいの心意気が欲しいものである。自分の選挙ばかり考えないで・・・・・・。(2012年6月4日、あえてこれを追記しました。)
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